松浦遺跡・折戸沢遺跡
ボーッとしているのもなんだかもったいない気がして、思い立ったように、
散策へと出かける。今日は遠出でもしようと思い。町内で最も南側に位置
する松浦遺跡と折戸沢遺跡まで足を伸ばすことにした。ようやく暖かく
なり、ドライブにはもってこいな日であった為か、相棒は、テンポのよい
夏らしい曲をかけながら運転し、「これ自分のテーマ曲なんですよ」と
教えてくれた。かなりご機嫌のようだが、相棒と私がそろうと夏のような
さわやかさには程遠い気がした。

 さて、目的の遺跡は折戸沢をはさみ両岸に
位置し、海側から見て右が松浦遺跡、左

折戸沢遺跡である。折戸沢遺跡は、草
(多分
イタドリだと思うが)がのび過ぎて
いるので
今回は断念することにし、松浦遺
跡に全力を
注ぐことにする。

 青函トンネル
記念館(平成1410月末に
閉館された)
に展示してあった3点の完形
土器は昭和
35年頃に松浦遺跡の畑から出土
した縄文時代
晩期から続縄文時代のものと
記憶している。その為、今回はかなり期待を
抱いていた。
 近くに車を停めて、段丘上にある畑に少し
お邪魔してその周辺を見渡す、何もない……。
場所を変えて、もう一度よく見渡す。よう
やく石器のかけらが一つだけ見つかっただ
けで、はじめのやる気が幻であったかのよう
に感じられ、激しく落胆して車へもどる。
 悔しいので、海から遠景写真でも押さえ
ようとしたところ、なにやら騒がしい。海の
ほうを見ると、転覆した木造の
磯船を牽引
(というのだろうか?)した漁師が、船揚場に
向かっている。しかもその舟には、
フジツボ
らしきものが引っ付いている。こ
んな光景を
目の当たりにして、野次馬根性
200%の自分
らが、だまって通り過ぎるわ
けにはいかない。
湧きあがる衝動を押さえ
る術を身につけて
いない相棒と自分は真っ
先に堤防へと向かった。

 周辺の聞き込みか
ら、その船はどうやら
今話題の北朝鮮の磯
船らしいことがわかった。
何年か前に起きた大洪水で沖まで流され、長い
年月漂流し、日本まできたのではないかとの
ことだった。海をはさみ、言葉も文化も異な
るが、北朝鮮は近いのだなぁと実感できる。
最近は、お互い何かとごたごたしているが、
もう少し仲良くなれないものかなぁとまじめに
考えてしまう一日であった。


青函トンネル記念館に展示されていた土器

松浦・折戸沢遺跡遠景



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